電気を使用しているご家庭でよくある質問が、
『たこ足配線って危険って聞くけどそれって本当?逆に、どこまでが安全なの?』
といった質問です。結論からお話すると『たこ足配線は諸刃の剣』です。
簡潔に言うと『超便利だけど使い方を誤ると命に関わるよ!』ということです。
- たこ足配線って本当に危険なのか教えて欲しい
- 安全に使用する方法ってあるの?
- 方法があるならどこに気をつけたら良いのか教えてほしいな。
今回は、こういった疑問に答えていきます。
実際、たこ足配線をしているご家庭は多いです。僕の家も含めて。
だからここでは、”たこ足配線を安全に使用する”ことをテーマにして、記事にまとめていきます。一緒に見ていきましょう。
目次
1.たこ足配線とは?
たこ足配線は正式名称で「テーブルタップ」と呼ばれ、『1つのコンセントに複数の電化製品を接続して使用すること』のことを言います。
たこ足配線(たこあしはいせん)とは、テーブルタップなどを使って一つのコンセントに複数の電気機器を接続することである。コンセントをタコの身体に、多数の配線を足に見立てて作られた俗語である。回路構成は並列回路にあたる
複数のコンセントが接続されている光景がたこの足に似ていることから『たこ足配線』と呼ばれるようになりました。
家庭用の延長コードなんかも販売しており、1,000円程度で購入することも可能です。
販売は、通販・コンビニ・家電販売店・スーパーなんかでも行っています。
2.たこ足配線が危険な理由は電流にあり!?
『たこ足配線はいったい何が危険なの?』
たこ足配線が危険なのは、電化製品を多く接続することで流れる電流が非常に大きくなってくるためです。
ここが重要で『コンセントをいくつ使っているか』ではなく、『どの電化製品を使っているか』に注目することがとても大切です。
同時に使用できる電流は15A、ワット数は1500Wまで
たこ足配線(ケーブルタップ)を使用する場合、電化製品を複数接続して同時に使用できる電気の大きさは、『15Aまたは1,500Wまで』と言われています。
これ以上の電気を使用すると、火災につながる可能性がかなり高くなり非常に危険です。
携帯の充電器2つ+テレビ+パソコン2台を使用している場合
0.15A+0.15A+1.3A+1.2A+1.2A=4A
電子レンジ+炊飯器+冷蔵庫を使用している場合
10A+5.7A+1.5A=17.2A
コンセントを多く使用しているのは”前者”です。しかし、電流の大きさで見てみると前者は『4A』しか使用していません。危険にはほど遠い大きさです。
一方で”後者”は、使用している電化機器は3つしかありませんが、電流の大きさは『17.2A』と”15Aを超えている”ため、非常に危険です。
繰り返しますが、たこ足配線で重要なのは”いくつ使用しているか”ではなく、”どれだけ使用しているか”です。
3.電化製品ごとの電流(アンペア)の目安表
エアコン
電流(アンペア)の目安
冷房:10A
暖房:13A
電力(ワット)の目安
冷房:1,000W
暖房:1,300W
冷蔵庫
電流(アンペア)の目安
1.5A
電力(ワット)の目安
150W
洗濯機
電流(アンペア)の目安
4.2A
電力(ワット)の目安
420W
電子レンジ
電流(アンペア)の目安
10A
電力(ワット)の目安
1,000W
炊飯器
電流(アンペア)の目安
5.7A
電力(ワット)の目安
570W
IHクッキングヒーター
電流(アンペア)の目安
1.5A~12A
電力(ワット)の目安
150W~1,200W
掃除機
電流(アンペア)の目安
2A~10A(弱~強)
電力(ワット)の目安
200W~1,000W
テレビ
電流(アンペア)の目安
1.3A
電力(ワット)の目安
130W
パソコン
電流(アンペア)の目安7
1.2A
電力(ワット)の目安
120W
オーブントースター
電流(アンペア)の目安
12A
電力(ワット)の目安
1,200W
アイロン
電流(アンペア)の目安
10A
電力(ワット)の目安
1,000W
ドライヤー
電流(アンペア)の目安
10A
電力(ワット)の目安
1,000W
電気カーペット
電流(アンペア)の目安
全面:6・8A
半面:3・4A
電力(ワット)の目安
全面:680W
半面:340W
こたつ
電流(アンペア)の目安
1A~5A(弱~強)
電力(ワット)の目安
100W~500W
携帯の充電器
電流(アンペア)の目安
0.15A
電力(ワット)の目安
15W
4.たこ足配線は超便利な「諸刃の剣」です
僕自身としては、15A以下で使用するのであれば、たこ足配線を止めるようなことはしません。それは、『たこ足配線』がもの凄く便利だからです。
ただ、危険と裏合わせで使用しているので『諸刃の剣』であるということを十分に理解したうえでの話です。
最近のケーブルタップは多機能のものが多いです
最近であれば、家電販売店なんかでもたこ足配線用のケーブルタップなんかを販売しています。特に、火災が起こらないように色々な機能が備わっています。
- その1:スイッチ
※配線全体用のスイッチと個別に流す用のスイッチの2種類があります - その2:パイロットランプ
※電気を使用していると光るランプです。先ほどと同様に2種類あります - その3:シャッター
※ホコリや害虫の侵入を防止するために差込口に設けています - その4:ブレーカー
※発火を防ぐために15Aを超えると自動で遮断する機能です
このように、最近のものであれば多機能の物が多く安全に使用することのできるケーブルタップが多くました。
そのため、電力会社が抱えている『たこ足配線=危険』という概念は少しずつ変わってきており、『安全に使えば超便利』という一面を重要視してきています。
電気火災が起こると命に関わります
『15Aを超えて使い続けるとどうなるのでしょうか?』
電気火災が起こる可能性があります。はっきり言えば、命に関わります。
”火災が発生すれば水をかければ良い”と言う発想に至るかもしれませんが、ブレーカーが落ちていない場合、コンセントの差込口まで『電気は生きています』
そこに水をかけるということは、電気をショートさせることになります。
- 感電
- 火災の拡大
これらの可能性が限りなく高くなります。つまり、電気火災は他の火災と違って『鎮火させにくい』ということです。
何度も繰り返しますが、たこ足配線は諸刃の剣ですので、
絶対に15A以下で使用してください。
5.たこ足配線をするうえで絶対に守るべきこと
電力会社や電気保安協会が掲げているのが『たこ足配線は危険だから使用しない』というった考えです。
とはいえ、たこ足配線ってもの凄く便利ですよね。正直なところ、僕の家でもケーブルタップは使用しています。
だから、『たこ足配線を使用しない』のではなく『安全に使用する』という視点から次のことを絶対に守ってください。
◎ たこ足配線は絶対に15A以下で使用する
◎ 電流の大きい物は通常のコンセントを使用する
◎ 目標は7A以下を目指す
サクッとみていきます。
たこ足配線は絶対に15A以下で使用する
これについては、この記事で何度も登場しているので聞き飽きたと思います。
ただ、火災は本当に避けたいことなので、絶対に15Aを超えないようにしてください。
電流の大きい物は通常のコンセントを使用する
電流(アンペア)の大きい電化製品、例えば『エアコン・電子レンジ・熱源機器』などは基本的に電流が大きくなります。
そういった製品はたこ足配線するのではなく、家にもともと設けてあるコンセントを使用することで火災になる確率はかなり低くなります。
目標は7A以下。達成は意外と簡単です
15A以下と耳にたこが出来るほど言ってきましたが、合計の電流はなるべく小さい方が良いです。目標は『7A以下』を設定してください。
『7Aってめっちゃ少ないけど厳しくないの?』
これが思っている以上に厳しくありません。
通常販売されているケーブルタップは6個のコンセントの差込口が設けてあることが多いです。そこに日常生活で使用することの多い
- 携帯の充電器
- パソコン
- テレビ
- ゲーム機
- HDDレコーダー
これらを差し込んだとしても合計の電流は『5~6A』程度です。
合計の電流は小さければ小さいほど安全です。たこ足配線する際は、そのタップで使用する電気の大きさがなるべく小さくなるように使用してください。
6.さいごに
たこ足配線は、そのメリットが大きいために色々な場所で重宝されることが多いです。
一方で、デメリット(危険性)の部分に目を向けていないと後で取り返しのつかない事態につながることだってあります。
この記事では、各電化製品の電流(アンペア)・電力(ワット)の目安表も記載しているので参考にしていただけたら幸いです。
ご自宅から、電気の危険性を少しでも取り払うようにしてください。